『松本侑大の9%くらいの音楽の話』vol.2
ラジオ「火曜平松研究所」内
『松本侑大の9%くらいの音楽の話』第2回でした。
聞いていただいた皆様、ありがとうございます。
前回に引き続き、詩人で作詞家の酒井衣芙紀さん、そして作詞家の前田甘露さんをゲストにお迎えしました。
イベントについての話が中心だった前回とは打って変わって、今回は「詩」にフォーカスした内容でした。
“詩人”という顔を持つお二人。
とはいえ”詩”に対するアプローチは全くと言っていいほど違うのが面白いところです。
本編の中でも触れていましたが、「歌詞」あるいは「小説」から言葉の世界に入ってきた甘露さんと、早い時期から現代詩を意識してきた衣芙紀さんとの違いもあるのでしょう。
本編では甘露さんの初めての朗読もお届けしました。
実際ノー打ち合わせで、本当に収録の流れで思いついて言ってみたところ、快諾いただきまして、そのままの流れで収録させていただきました。
つまり、全くのノーカットです。
最初は緊張なさっていましたが、そこはさすがに”世界”をお持ちだなと。
言葉が次の言葉を導いて、そこに身を委ねているうちに気づけば情景が立ち上がり、その景色に感情が揺さぶられる。
甘露さんとは詞先という制作スタイル:楽曲を作る際に、歌詞を先に書き、それから曲を作っていく方法、でご一緒させていただくこともあるのですが、何か通じるものを感じました。
読んでいただいたのは「足跡の刻み方」という詩でした。
(甘露さんの詩集『世界で一番小さな海』に収録されている作品です。)
衣芙紀さんの”音”の世界はまた違うんですよね。
本編でぽろっと「私は自分では読まないんです」と話していましたが、詩作と同様、音もデザインして組み上げていく、こちらも面白い作品を作っていらっしゃいます。
「きれいごと」という詩集の音源化の際にお手伝いさせて頂いたのですが、擬似バイノーラルを使った音像であったり、特殊な空間を再現したリバーブを用いたりと、一般的にイメージされる”朗読”作品とは違う音の空間デザインまで含めた作品になっています。
ぜひ皆さんにも聞いていただきたいです。それも、必ずヘッドフォンで。
(詩集「きれいごと」、そしてそのオーディオ作品が発売中です。)
過去作ではありますが、酒井さんの世界観が垣間見える作品がありますので、ご紹介しておきます。
酒井衣芙紀「アクアリウム」
https://youtu.be/AnolIzlrsVA
まだまだ聞きたいことのたくさんあるお二人です。
作詞家、ということに関しては放送できることと放送できないことがあるので難しいのですが、その部分にフォーカスしたお話もいずれお届けできればな、とも思います。
お二人とも、ありがとうございました。
前田甘露さんブログ
https://ameblo.jp/gyaemse/
酒井衣芙紀さんウェブサイト
https://mugeiduck.localinfo.jp/
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「今週の一曲」
コーナー内で紹介した曲をこちらにも。
Lido & Unge Ferrari - 「Corner Love」
https://youtu.be/yWljgA8mUKE
独特の肌触りのある楽曲です。
一瞬、何というジャンルの曲として紹介すべきかためらうほど。
ノルウェー出身のプロデューサーでありアーティストのLido。彼の新譜「I O U 2」の1曲。
次の瞬間にどんな音が現れるのかわからない。
どんどんと引き込まれていくうちに自分の感覚がふっとぼやけてしまうような瞬間がやってきて。
そこに繊細な彼の声がメロディーとなって突き抜けてくる。
強烈なリズムや畳み掛けるような展開で圧倒するエレクトロもいいのですが、この曲のような浮遊感・繊細さも大事にしたい感覚です。
映像もとてもクール。
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